読書は姿勢で決まる

読書法

読書は姿勢で決まります。ここで言う姿勢とは、「心の姿勢」といった類のものではなく、文字どおり体の所作としての姿勢のことを言います。通常の読書は、学生時代の習慣の延長として椅子に座った姿勢で行うことが通常となっています。が、椅子に座って読書をすると、案外、体力を使うものです。

しかし、寝転んだ姿勢であれば、何時間でも読書を継続することができます。こういうことをわざわざアドバイスしてくれる人はいません。唯一の例外が、加藤周一著『読書術』になります。

著者は既に故人となっています。が、日本の受験界では最難関と言われる「東大医学部卒」です。後に、英語はもちろん、フランス語、ドイツ語もマスターし、大学でフランス文学を教えていたこともあります。キャリアが似ていることから、「森鴎外二世」と言われることもありました。

こういう人が説く読書術ですから、説得力があります。『羊の歌』というタイトルの自身の手による自伝には、幼少からこの読書術を実践し、受験勉強も乗りきったとの記載があります。

残念ながら、『読書術』に出会ったときには20歳を超えていました。