大規模言語モデルの仕組み

書評

本書購入のいきさつ

本書を手にすることになったきっかけはnoteです。著者は、web雑誌連載の時からnoteに記事を公開しています。さらに、本書の本文そのものも、一部を余すところなくnoteにアップしています。部分的に読んでしまったら、全体を読みたくなるのは自然な成り行きです。前日にアマゾンで予約を入れ、販売日には読み始めていたという経緯があります。

注目ポイント

本書の最重要箇所は、「第6章大規模言語モデルの仕組み」です。新しく世に出たツールは、まずその仕組みを知ってからでないと正しく使えません。ChatGPTなど生成AIも同じことです。「使える」「使えない」といった視点から話題になるChatGPTなのです。が、そのベースとなる大規模言語モデルの仕組みを詳細に解き明かす説明を聞いたことがありませんでした。

本書の第6章で、「説明」が試みられています。何度も繰り返し読み込まないと理解できない極めて難解な文章です。しかし、この箇所の文章に目を通しておけば、ChatGPTなどAIにできること、できないことが、明確になります。生成AIが使えないと言う議論には、仕組みを正しく理解していないことによる過度な期待から来ていることがわかります。

まとめ

第6章以外の箇所も読みどころ満載です。本書には、生成AIに関連した近未来に対する予想や予言が豊富に記載されています。多くのビジネスマンが、今最も知りたい内容に違いありません。

著者は「日本で最も仮想通貨を理解している」と評されることがあるのです。が、「最も生成AIを理解している」と言われる機会も増えるに違いありません。